「あんた京都の人じゃないね」から始まった宝塚へのご縁
【二拠点生活☑京都・☐埼玉】
「あんた京都の人じゃないね」
今日会社にいらした年配のお客様に言われた言葉だ。
「関東の人かね? 出身はどこかね?」
そう聞かれて「埼玉県です」と答えると、決まってこう続く。
「話し方のアクセントが違うから、京都の人間じゃないってすぐわかる」

少し前にも、同じようなことを別の年配の方に言われたことがあった。
その方はたまに来社されるうちに、私のことを「埼玉の人」と呼ぶようになり、
自然と雑談をするようになった。
ある日、何気ない会話の中でその方がぽつりと言った。
「うちの孫はな、宝塚歌劇のトップ娘役やねん」

「えっ? 宝塚のトップ娘役って⁈ 」
驚いて聞き返すと今度は向こうが驚いた様子で、
「あんた、宝塚歌劇知ってるの?」
「知っているも何も40年来のファンです。もしかしてトップ娘役って〇〇さんですか?」
そう言うと、
「あんた、うちの孫を知ってるの? よう分かったな」
と、また驚かれていた。
「お顔がよく似ていらっしゃるので、もしかしたらと思いました」
そう伝えると、とても嬉しそうに笑って、
「今度うちの会社に遊びにいらっしゃい。いろいろ話そう。孫のことも聞きたいし」
と言ってくださった。
それから少しして、その方の会社を訪ね、仕事のことや宝塚の話を伺った。
先日も「公演を観てきた」とおっしゃっていて、
「セリフを間違えへんやろかって、毎回ドキドキして観てるから疲れるわ」
と、家族ならではの思いを話されていた。
「あんたは京都の人じゃないね」
その一言から、思いがけなく宝塚のご縁がつながった。

京都の人は京都に生まれ育ったことに強い誇りを持っている。
そう感じることが多い。
私が通っている銭湯のサウナ友達のおば様たちも京都愛がとても強く、
「どこに旅行に行ってもな、京都駅に着いたらホッとするんや。やっぱり京都が一番え」
と、よく話している。

京都の人は京都以外の人には冷たいとか、癖があるとか言われることもある。
確かにたまにそう感じることはある。
銭湯のサウナに初めて入ったときは、正直とても勇気がいった。
そこでも最初の一言は、「あなた京都の人じゃないね」
でも、そのサウナのおば様たちは、みなさん良い方ばかりで何度か通ううちに、
少しずつ受け入れてもらえた。

京都には独特の文化や習わしがあり面白いと感じることも多い。
けれど私はやっぱり関東の人で、京言葉はしゃべれないしそのつもりもない。
「あんた京都の人じゃないね」
これからもそう言われながらこの街に暮らすだろう。
それでも今では京都が第二の故郷になっている。